トークイベント「堂場瞬一の○○な5冊」
堂場瞬一先生の著作100冊記念のトークイベントに行ってきました。
聞き手は書評家の大矢博子さんです。
堂場先生が書いているのは警察小説や、スポーツ小説なので自分はあまり読まないジャンルなのですが、創作で得るものがあるかと足を運びました。
結論から言うと面白かったです。
前から疑問だった「スポーツものだと、実際にやってないと面白い話が書けないのでは?」に対する一つの答えを得た気がします。
堂場先生は感情移入をさせないように書いているらしいです。自分はあの手この手で読者の共感を得て物語を進めていくということを考えていたのです、堂場先生の場合は、面白い設定なら面白い話になるというスタンスのようです。ちょっと目からウロコが落ちました。
あと、堂場先生の作品で書いたことが、あとで実際になるようなことも何件かあるようですがが、これはニュースから状況を読み取り、延長線上の未来を想定して書いているからなのかなぁと思いました。
以下はメモ書きです。
・オススメの堂場作品
担当の人『ラストダンス』
状況がマンガ的だけど、描写が細かいので気にならない
果物は腐りかけが美味しい。ピークを過ぎた人も。
書店員『チーム』
実際の話を参考にした。
駅伝は日本にしかない競技
『ヒート』のラストを曖昧にしていていたら苦情が来たので『チームII』を書いた。
取材はしない。試合は見るけど、話は聞かない。
キャラクターのルックスは書かない。読者に想像してもらう。
大家さん『警視庁追跡捜査係』
コールドケース。小説後に実際に警察にそういう課ができた。
堂場作品は2作目がオススメ。3作目からはヒネリだす。
本人によるオススメ他人の本『ザ・コールディスト・ウィンター朝鮮戦争』(ノンフィクション)
本人による自作『Killers』
町小説。渋谷のクロニクル。
もやっとするのは殺人の動機が分からないから。
小説を書くというより、穴を掘っていた。書き終わったら穴を覗いていたという感じ。
書いていた記憶が無い。自動筆記のようだった。書き終わったら3時間位記憶がぬけていて、気がついたら小説の最後の舞台となった町中に立っていた。
共感できない人が好き。
・タイトルが漢字二文字が多いのはディック・フランシスの影響?
→でかくなるから。目立つため。
・小説を書こうとしたキッカケは?
→小さい頃から本をたくさん読んでいた。
ペリーローダンを読んでいたが、自作には影響がない。
影響を受けたのは高校のときから読んだハードボイルド。
失踪ものはリュウ・アーチャーのシリーズ。
・小説を書くモチベーションは?
→書き足りないという気持ち
・小説のモチーフは?
→生のニュース。TV、新聞。
新聞を読み続けているとトレンドが分かるようになる。
・どんな大学時代?
→暗い
・名古屋を舞台にする予定は?
→人間関係が難しい。すぐに犯人が分かっちゃうんじゃないか。
・今後書くならどんなスポーツ?
→サッカー以外。バスケ、卓球も書かない。
動きが速いのは書けない。
・映像化されて驚いたことは?
→キャラクターについては、まぁそういうものか。よかったイケメンで。
・最近読んで面白かった作品は?
→『ゲルマニア』
・プロットを書くか?
→あらすじをちゃんと作って編集と話をする。
書き直しにならないように。
・堂場瞬一ビギナー向き作品は?
→『アナザーフェイス』
『チーム』または『大延長』
・スポーツ庁ついての意見
→スポーツ庁が出来る前にをスポーツ省について書いた『独走』を読めば分かる。