水生大海『少女たちの羅針盤』
水生大海先生のデビュー作『少女たちの羅針盤』を今更ながら読みました。
この作品は映画化もされています。
元の題名は『罪人いずくにか』ですが、改題して『少女たちの羅針盤』になっています。改題したほうが売れそうな感じですね。
水生先生を見たのは去年、椙山女学園で開催されたトークイベント「女性作家・評論家によるパネル」 です。
水生先生の本は、いつかは読もうと思っていたのですがズルズルと……(^^;)
そうしたら4月に丸善名古屋本店がオープンした時に地元の人のサイン本コーナーに水生先生のサイン本もあるということで購入して積読に。やっと手をつけ読み終わりました。
アイデアが素晴らしいです。
簡単に紹介します。
内容は、現代パートと4年前パートに分かれていて、交互に話が進みます。
現代パートの主人公、女優の舞利亜(芸名)は「羅針盤」という伝説の女子校生4人組の劇団の一人でした。劇団は4年前に一人が死亡して解散。
現代パートは舞利亜視点で話が進みます。メンバーが死んだのは舞利亜のせいなのですが、それの証拠を掴んだ誰かが舞利亜に復讐しようとしています。
4年前パートは劇団の結成から始まる少女4人の青春演劇ストーリーって感じです。その部分だけ深夜アニメでやってもおかしくないくらいです。
ちなみに劇団「羅針盤」の名前の由来は4人の少女たちの名前に東西南北の漢字が含まれているからです。
で、面白いのは現代パートの舞利亜は4人の少女のうち誰か?ということです。そして、4年前で誰が死ぬことになって、その原因は何か?4人のうち誰が復讐をしようとしているのか?
そんなことを考えながら読むと面白いです。
さて、水生大海先生ですが、鈴木輝一郎先生の小説講座の門下生のようです。
同じ門下生にツイッター小説をラノベ化した『少女と移動図書館』の竹雀綾人先生も居ます。
先に紹介した椙山女学園の「女性作家・評論家パネル」ですが、今年も開催されるようです。
http://www.sugiyama-u.ac.jp/univ/event/assets/docs/150704kokusai.pdf