『邪馬台国はどこですか?』読書会
3月12日にミステリー岐阜読書会へ参加してきました。
課題図書は鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』です。
参加人数は11名。男女比は5:6で女性の方が多めです。
ミステリー読書会の岐阜版という位置づけですが、実際の岐阜県民は1~2人?だったかな。別に岐阜読書会と言っても他県からの参加もOKなのです。
ちなみに、鯨統一郎作品のファンである翻訳家の棚橋志功さんは東京からの参加でした。
自分の『邪馬台国はどこですか?』との出会いは人による紹介でした。諸星大二郎先生、星野之宣先生の伝奇モノが好きで、当時京極夏彦の百鬼夜行シリーズを読んでいて、オススメされたのが『邪馬台国はどこですか?』でした。
今回、読書会のため再読。ついでに続編の『新・世界の七不思議』、『新・日本の七不思議』も読みました。
更に、前から気になっていた『努力しないで作家になる方法』も読みました。これは、鯨統一郎先生がデビューするまでの話です。主人公の名前が入鹿総一郎と、微妙に現実世界と違っていますが、出版社名とかはそのまま出てきて、かなり私小説に近いかと思います。
『努力しないで~』は『邪馬台国~』のタイトルの由来や、キャラの役割の配置とか、裏話的なことが載っていて面白いです。
『邪馬台国~』はかなり面白いです。これホントかな?と思わせつつも納得してしまう。ちゃんとした学説じゃなくて物語なので、壮大なウソをついている可能性もあるけどつい信じちゃう。しかも、ラストにオチっぽい話もあったりするし。
読書会は自己紹介と感想、6編ある短編のどれが好きか?を言って回ります。
人気があったのは信長とイエスの話でした。以下、ブッダと聖徳太子、邪馬台国、維新の順でした。
印象に残っている意見は、
- パソコンやホームページとか、ITが古い
- Kという作家が書いた小説ということになっているが、信頼できない語り手が書いているので実際にバーであった話とは逆かもしれない
- 歴史に詳しいと、意図的に隠している部分があるのが分かる
- バーに他の客が居ないのは鯨先生のスタイル
- 聖徳太子やイエスの話は入れ替わりトリック
- 一歩間違えるとトンデモ本
等々。
ちなみに、収録されている各短編のタイトルが5W1Hになっているのを知ったときは驚きました。『努力しないで~』によれば、表題作でもある『邪馬台国はどこですか?』は本屋のバイト時代のお客さんの言葉からで、出版社の人から次作を書いてくれと言われて書いたのが『奇蹟はどのようになされたのですか?』で、その時には他の話のことは考えていないような感じです。どの段階で5W1Hのタイトルにしようと考えたのか知りたいところです。
最後は次に読むオススメの本を各自が紹介。会議室の時間が迫っているので次の人がホワイトボードに事前に書いておくというスタイルになりました。
時が経つのは早く、あっという間に終わってしましました。
会議室を出た後は、二次会の飲み会へ。
楽しかった。
今回、読書会へは資料用に折本を作っていきました。
今日は『邪馬台国はどこですか?』読書会。Kという作家が書いた『歴史ミステリ』という本というコンセプトの折本と、名刺がわり折本の歴史モノ賞編集『歴史ヒストリー』を持参します。2作品とも、タイトルに対するツッコミをお待ちしております。 pic.twitter.com/CTdjM7jt3u
— 楠樹 暖 (@kusunokidan) 2016年3月11日
8ページ折本だと、表紙と裏表紙を除くと正味6ページ。『邪馬台国~』の収録短編も6。おおっ!ピッタリ!ということで、各ページに6編の短編の要約を載せました。