暖かい樹のブログ

楠樹暖の覚書

星くずのフラグメンツたなごころのたわごと閃きのフラッシュフィクションズ

ソラリスは妖怪である

今回は、スタニスワフ・レムのSF『ソラリス』を読んだ人向けの内容です。

ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」という趣旨のことが書いてあるということで、「すべての小説は模倣である」説を支持する自分としては読んでみないと、ということで手を出しました。 アイデアのつくり方 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井…

第4回名古屋SF読書会『ゼンデギ』

4回目を迎えた名古屋SF読書会。今回はグレック・イーガン『ゼンデギ』でした。 ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF) 作者: グレッグイーガン,山岸真 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/06/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (20件) を見る 前回までは30人…

藤崎ほつま『キミのココロについてボクが知っている二、三の事柄』

『キミコロ』こと『キミのココロについてボクが知っている二、三の事柄』読みました。面白かったです。 わりとボリュームがありますがお値段無料です。 紹介文はあまり読んでなく、予備知識としては男の子同士の心が繋がる、でした。 で、いくつか予想と違っ…

中村祐介『みんなのイラスト教室』

Togetterで見てタメになるなぁと思っていて、書籍化されたので買いました。 まず前提として、自分は絵は描かずに、コミPo!などを使って素材の配置を変えて表紙を作る程度なのです。 で、『みんなのイラスト教室』ですが、よかったです。 生徒のイラストに中…

野﨑まど『野﨑まど劇場』

実験的な短編がたくさん載っているライトノベルです。 個人的には一番最初に載っている『Gunfight at the Deadman city』が好みです。 西部劇のガンマン同士の決斗なのですが、記号を使って状況を説明するのです。 説明するのは面倒なので手に取って読んでみ…

要素分解共鳴結合(星新一の創作秘伝)

『星新一 空想工房へようこそ』という本を読んでいたら星新一先生の創作の秘密が書いてありました。 こうしてメモの山から言葉をもみ続けると、「やがて神がかり状態がおとずれてくる」。頭の中で異様な言葉の組み合わせができては消え、見込みのありそうな…

石原宙『世界で2番目におもしろいライトノベル。』

『8番目のカフェテリアガール』が面白かったので注目している石原宙先生の新作が出ました。 世界で2番目におもしろいライトノベル。 (ダッシュエックス文庫) 作者: 石原宙,H2SO4 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/10/23 メディア: 文庫 この商品を含む…

淡波亮作『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』

淡波さんがブログで連載していた児童文学が遂に完結! フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん 児童文学は自分の範疇ではないのですが、これは是非触れておきたいことだと思ったので書きます。 凄いのは、まず完結したこと(まぁ完結した作…

弍杏『文中の(  )にあてはまる文字を入れなさい』

隙間社さんの電子書籍第2弾。 電書界隈では、一人称が「弊社」のTwitterアカウントが有名? 文中の( )にあてはまる文字を入れなさい (隙間社電書) 作者: 弍杏 出版社/メーカー: 隙間社 発売日: 2015/09/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る…

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』

有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいのマンガで読む。 作者: ドリヤス工場 出版社/メーカー: リイド社 発売日: 2015/09/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 有名な文学作品25作を一作あたり10ページくらいの漫画にしたものです(タイ…

手塚治虫『手塚治虫ランド』

『ガラスの地球を救え』を発掘した時に一緒に発掘した『手塚治虫ランド』 手塚治虫ランド (1977年) 作者: 手塚治虫 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 1977/08 メディア: ? この商品を含むブログを見る 手塚治虫先生の書いた文や、絵をまとめたものです。 …

手塚治虫『ガラスの地球を救え』

田中啓文先生の『イルカは笑う』に収録の『ガラスの地球を救え』ですが、手塚治虫先生の同名の本を持っていたはず、と探したらありました。ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)作者: 手塚治虫出版社/メーカー: 光文社発売日: 1996/09メ…

田中啓文『イルカは笑う』

田中啓文先生の『イルカは笑う』購入。 表紙は「イルカがせめてきたぞっ」リスペクト(笑) https://t.co/4eNbChxgkx pic.twitter.com/3gfBJnIbxP— 楠樹 暖 (@kusunokidan) 2015, 9月 8 田中啓文先生の『イルカは笑う』読了。ヒドい小説だった(ホメ言葉)。ダジ…

廣野由美子『批評理論入門』

『100分de名著』のフランケンシュタインの回の人が書いたフランケンシュタインの本です。 副題が〝『フランケンシュタイン』解剖講義〟となっているように、色々な批評の理論を『フランケンシュタイン』一冊を通して解説するというものです。 二部構成で、前…

南條竹則『吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝』

先日の飲み会でルイス・ウェインという猫を擬人化した絵を描いていた人を紹介されました。 その辺をまとめて載せている南條竹則『吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝』を読みました。読んだというより見ました。 吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝 …

P・K・ディック『ヴァリス』の面白さ(ネタバレ編)

昨日に引き続き『ヴァリス』を語ります。 今回は、ネタバレ編です。 『ヴァリス』に限らず、色んな作品のネタバレがありますので、気にしない人だけ先に進んでください。

P・K・ディック『ヴァリス』の面白さ(妄想編)

ヴァリス読書会があったので、『ヴァリス』の面白さを書いてみます。今回は「妄想編」です。 物語としての『ヴァリス』はファットが狂っていることに尽きます。 宗教関係を調べて独自の理論を立てます。でも要は妄想です。 でも、ファットだけの妄想かと思っ…

江戸川乱歩『人間椅子』

『小説宝石』9月号が乱歩奇譚特集ということで買ってきました。江戸川乱歩『人間椅子』と、乱歩奇譚のノベライズ版の『人間椅子』が載っています。ノベライズ版は『未完少女ラヴクラフト』の作者である黒史郎先生です。ちなみに『乱歩奇譚』の人間椅子はオリ…

諸星大二郎『暗黒神話 完全版』

諸星大二郎先生の『暗黒神話』に描き足しをしたものです。 2014年から『画楽.mag』という雑誌で連載していました。この雑誌は表紙がちょっと買いにくい絵柄になってます(^^;)。 『暗黒神話』自体は初出は1976年とかなり古いです。 『暗黒神話』自体は自分は…

『テンプレート式 超ショート小説の書き方』

中日新聞(東京新聞)の「300文字小説」に応募するため用の書き方指南本。 文章スクールの生徒の作った掌編を参考に書き方を説明してくれます。 テンプレートもあるので、それに当て嵌めれば作品ができるというもの。 テンプレート式 超ショート小説の書き方 …

菅浩江『試し読みと文章の工夫~「放課後のプレアデス『みなとの星宙』」より~』

アニメ『放課後のプレアデス』のノベライズのお試し版ですが、ただのお試し版ではなく、文章の書くときの工夫を紹介してくれてたりします。 工夫を入れた場合と入れない場合の具体的な例を書いているので分かりやすいです。 あと、この電子書籍自体は『放課…

じんたね『キミ、色、トウメイ』考察

じんたね先生の『キミ、色、トウメイ』の透明化現象を考察します。 キミ、色、トウメイ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ) 作者: じんたね,もっつん* 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2014/08/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件)…

施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』

Twitterのタイムラインに流れてきた『バーナード嬢曰く。』、ググってみたら面白そうだったので買いました。実際読んでみたムチャクチャ面白かったです。 物語は、図書室の中で、本を読んでるアピールをする女の子(実は読んでいない)と、それを見ている男の…

レイ・ブラッドベリ『華氏451度』

第3回名古屋SF読書会の課題図書です。 『華氏451度』は焚書の話というのは基本情報として知っていました。映画版は子供の頃にテレビでやっていたのの最後のシーンだけ見たことがありました。 今年の2月に名古屋シネマテークでリバイバル上映していたので見に…

ゾンビ三部作と小室孝太郎『ワースト』

まずはゾンビ物のおさらいをしましょう。 有名なところでロメロ監督のゾンビ三部作というのがあります。 ナイト・オブ・ザ・リビングデッド ゾンビ 死霊のえじき それぞれ原題は、 Night of the Living Dead Dawn of the Dead Day of the Dead と、夜、夜明…

『華氏451度』と真空チューブ列車

『華氏415度』を新約で読んでいる最中なのですが、気になるところがあったら旧約と比較したり、洋書と比較したりしてます。 で、今日気になったのは主人公の通勤手段です。映画版のイメージではモノレールですが、小説では地下鉄になっています。よく読むと…

洋書のイタリック

名古屋SF読書会に向けて『華氏451度』を読んでいるわけですが、ふと気になって原書を当たりたい時があります。読みたい文が前の方にあるならKindleで立ち読みすることができます。Kindleだとサンプルとして最初の方を読むことができるからです。 本の検索は…

『ファーレンハイト9999』と『華氏451度』

ファーレンハイト9999 (ダッシュエックス文庫DIGITAL) 作者: 朝倉勲,一色箱 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/01/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 『ファーレンハイト9999』の主人公はオタク文化が規制された世界の警視庁焚書課の捜…

かじいたかし『僕の妹は漢字が読める』

前から気になっていたラノベを読みました。 僕の妹は漢字が読める (HJ文庫) 作者: かじいたかし,皆村春樹 出版社/メーカー: ホビージャパン 発売日: 2011/06/30 メディア: 文庫 購入: 16人 クリック: 1,358回 この商品を含むブログ (89件) を見る でも、その…